災害時に「住んでいてよかった」と思える家づくりとは

日本は地震・台風・豪雨・豪雪・火山噴火など、さまざまな自然災害が起こる国です。こうした背景から、「家は単に快適な空間であるだけでなく、命を守る場所であるべきだ」と感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、実際に災害が発生したとき、「この家に住んでいて本当によかった」と思っていただけるような家づくりについて、私たちハウスメーカーの視点から解説します。これから家を建てようとしている方はもちろん、すでに住まいをお持ちの方にも役立つ情報をお届けします。

災害が起きたとき、家に求められる役割とは?

災害時、家は「避難場所」であり「安心の拠点」です。ライフラインが止まったとしても、最低限の生活を維持できること。そして、大切な家族を守る「シェルター」としての機能を持っていることが非常に重要です。

具体的には以下のような役割が求められます!

・地震などの揺れから家族の命を守る耐震性
・豪雨や洪水時に命をつなぐ高基礎・止水設計
・台風・暴風から建物を守る強風対策
・停電時にも最低限の明かりと情報が確保できる備え
・断水時でも衛生的に暮らせる給排水設計
・在宅避難が可能な備蓄スペースやレイアウト

災害に強い構造体とは?~耐震・耐風・耐水の基本~

■ 耐震等級3は「命を守る」家の基礎

住宅の耐震性能は、「耐震等級」という指標で表されます。
等級1が建築基準法の最低基準であり、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の耐震力があります。

ポイント
災害時に避難所となる「防災拠点」や「消防署」と同等の耐震性があるのが等級3です。災害後の復旧を考えると、単に「倒壊しない」では不十分。家族とともに「住み続けられる」耐震性が求められます。

■ 木造×制震ダンパーで揺れを抑える

木造住宅でも、制震ダンパーを導入することで、地震の揺れを大幅に低減できます。
初期投資は必要ですが、繰り返しの余震でも躯体がダメージを受けにくくなり、長期的な安心につながります。

■ 水害・台風への備え:地域特性に合わせた対策を

高基礎設計:床下浸水を防ぐだけでなく、湿気やシロアリ被害の抑制にも効果的。
雨水排水計画:敷地に余裕があれば「調整池」や「浸透桝」の設置も検討。
窓の強化:飛来物対策として「防災シャッター」や「強化ガラス」が有効。

3. 「在宅避難」ができる家の条件とは?

近年の災害対応において注目されているのが「在宅避難」という選択肢です。これは、避難所に移動せず、自宅で避難生活を送ることを意味します。特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、多くの方が「避難所は密になるのではないか」「プライバシーが守れない」といった懸念から、可能であれば自宅で避難生活を送りたいと考えるようになりました。

しかし、在宅避難が可能かどうかは、ただ単に「家が無事である」だけでは成立しません。災害発生後も安全かつ衛生的に生活を続けられる環境が備わっていることが条件となります。ここでは、在宅避難を実現するために必要な要素を掘り下げてご紹介します。

まず第一に、在宅避難の前提となるのは「住まいの安全性」です。大地震や強風などの自然災害が発生しても倒壊せず、家の中での生活が継続できるだけの耐震性・耐風性・耐火性が必要です。建築基準法の最低ラインを上回る耐震等級2以上、できれば3相当の耐震性能を備えることが望まれます。また、瓦の落下や外壁の剥離、窓ガラスの破損などを防ぐことで、二次被害による怪我を避ける設計も重要です。

次に、災害によってライフラインが止まったときでも最低限の生活インフラを自立的に確保できる体制が求められます。たとえば、停電に備えて太陽光発電と蓄電池の導入があれば、携帯電話の充電や照明、冷蔵庫の稼働など、最低限の生活を維持することができます。最近では、蓄電池が満充電されていれば、家族3~4人で1〜2日程度は生活可能な電力をまかなえるシステムも普及しています。

また、水の確保も非常に重要です。飲料水に加え、トイレや簡易的な洗濯、調理などで使用する生活用水の備蓄は欠かせません。多くの自治体が1人1日3リットルの飲料水、10リットル以上の生活用水を推奨しており、最低でも3日分、可能であれば1週間分を家族の人数に応じて備えておくと安心です。雨水タンクの設置や、バスタブの水を貯めておく習慣なども有効です。

トイレ問題も見過ごせません。断水時にトイレが使えないと、在宅避難は一気に困難になります。簡易トイレや凝固剤を備蓄しておくことで、衛生状態を保ち、ストレスを大きく軽減することができます。最近は家具に収まるタイプや、普段は収納しておけるコンパクト設計のものも多く登場しています。

さらに、備蓄スペースの確保も重要なポイントです。在宅避難に必要な飲食料、日用品、ガスボンベ、LEDランタン、ラジオ、医薬品など、想像以上に多くの物資が必要となるため、それらを保管しておく計画的な収納設計が求められます。食品や生活用品はローリングストック(定期的に使いながら補充)方式を採用することで、賞味期限切れを防ぎつつ効率的に備えることができます。

そして何より、家族が安心して過ごせる心理的なゆとりも「在宅避難」には不可欠です。プライバシーが確保された居住空間、温度調整がしやすい環境、家族が集まって落ち着けるリビングの配置など、災害時に不安やストレスを抑える間取りや工夫も大切な条件です。ペットと一緒に暮らしている家庭では、避難所ではなく自宅に残る選択をされる方が多いため、ペットとの共生スペースの確保も検討すべきでしょう。

このように、「在宅避難」ができる家とは、災害に耐える構造と、ライフラインが停止した状態でも生活を継続できる自立性、そして精神的な安心感を提供できる工夫が揃った住まいのことを指します。単に“避難所に行かずに済む”ということではなく、“日常の延長線上で安全に暮らし続けられる家”であることが求められるのです。

災害に強い家は、普段も快適に暮らせる家

「災害に強い家」というと、重厚で無骨なイメージを抱かれる方もいるかもしれません。「備えが充実しているのはいいけれど、ふだんの暮らしが不便になってしまうのでは?」という不安の声もよく耳にします。しかし実は、災害に備えた住まいというのは、非常時に頼れるだけでなく、日常生活をより快適で便利にしてくれる設計や設備の集まりでもあるのです。

たとえば、高い耐震性能を持った構造体は、地震の揺れに強いだけでなく、家そのものの「寿命」も延ばしてくれます。耐震等級3相当のしっかりとした設計がされた家は、建物のゆがみや構造へのダメージが少ないため、経年劣化による補修リスクが減り、長期的に安心して暮らし続けることができます。これは、定期的なメンテナンス費用の抑制にもつながります。

また、災害時に在宅避難を可能にする高断熱・高気密の設計は、普段の光熱費を削減し、冷暖房効率を高めるという大きなメリットをもたらします。夏は涼しく、冬は暖かい。エアコンの効きが良くなり、温度差による不快感が減少することで、身体への負担も軽減されます。特に高齢者や小さなお子さまがいるご家庭では、ヒートショックや熱中症のリスク低減にもつながります。

太陽光発電や蓄電池の導入も、災害時の非常用電源としてはもちろん、日常生活の電力を補う「自家消費型ライフスタイル」の中核を担います。昼間に発電した電気を自宅で使い、余った分を蓄電池に充電。電力会社からの買電を減らせることで、電気料金の節約効果が期待できます。加えて、電力が高騰している今の時代においては、「電力を自分でつくる・ためる」選択肢は非常に現実的で、家計を守る手段ともいえるのです。

収納や備蓄スペースの確保も、実は日々の暮らしに大いに役立ちます。備蓄品を計画的にローリングストックすることで、食品や日用品の買い忘れが減り、無駄のない買い物が可能になります。さらに、防災備蓄の収納スペースを確保するために考え抜かれたプランは、生活導線やモノの出し入れにも配慮されているため、結果的に家の中がすっきりと整いやすくなります。

風雨に強い外装材や屋根材も、災害時に安心をもたらすだけでなく、ふだんのメンテナンスサイクルを延ばしてくれます。塗り替えや張り替えの頻度が減れば、それだけ手間やコストも削減されるのです。特に最近では、メンテナンスフリーに近い高耐久の外壁材や、塩害や紫外線に強い屋根材も増えており、美しさを長持ちさせながら安心も同時に実現できるようになっています。

また、災害対策として注目されている「防災シャッター」や「強化ガラス」は、防犯性能の向上という副次的な効果も期待できます。不在時の防犯性を高めたり、台風時の飛来物から窓ガラスを守ることができるだけでなく、遮音・遮光の機能もあり、より落ち着いたプライベート空間を演出してくれるため、日常のストレス軽減にも貢献します。

このように見ていくと、災害に強い家というのは、決して非常時のみに特化した特別な構造物ではありません。むしろその多くの要素は、私たちが日々求めている「快適で安心できる暮らし」を、より豊かに実現するための“選択の集合体”だと言うことができます。

普段の快適性と、非常時の安心感は、相反するものではありません。災害に強い家を目指すことは、結果的に、日常をより安心で快適に過ごす家づくりにつながっていくのです。

まとめ

日本に住む以上、地震・台風・豪雨などの自然災害とは無縁ではいられません。ニュースで大きな災害が報道されるたびに、「自分の家族は大丈夫だろうか」「うちの家はちゃんと守ってくれるのだろうか」と、不安になる方も多いと思います。

家は、単なる「住まい」ではなく、人生の基盤であり、家族の命と暮らしを守る“最後の砦”です。
普段はその存在のありがたみを忘れがちですが、いざというときにこそ、本当の価値が問われるもの。

災害に強い家とは、最新の耐震技術や構造、設備を取り入れて、物理的な安全性を確保するだけではありません。
災害が起きたとき、家族がパニックにならず、落ち着いて行動できる安心感。避難所に頼らず、自宅での生活を継続できる備え。生活インフラが一時的に止まっても「なんとかなる」と思える心の余裕は「災害に強い家」によって支えられます。

もちろん、災害への備えにはコストがかかります。しかしそれは、無駄な出費ではなく、大切な家族と財産、そして暮らしの継続性を守るための未来への投資です。そしてその備えは、災害がない日常にも、快適性や経済性という形で還元されていきます。

「この家で本当によかった」
「備えていて本当に助かった」
どんな時代が来ても、どんな災害が起きても、家族が安心して暮らせる。
そんな住まいを、一緒に築いていきませんか?

セイカホームの商品ラインナップはこちら▼

「ハピネス」人気の超ローコスト注文住宅!

「ハピネスエイチ」968万円超ローコスト平屋住宅

「SUMAI-L スマイル」家族みんなが「笑顔=スマイル」の家

熊本の家づくりのことなら【セイカホーム】へ!

熊本での家づくりのことならセイカホームにお任せください!家づくりの基礎から住宅ローンや保証についてまで、まごころを込めてお客様に寄り添うハウスメーカーです。建てた後も安心して暮らせるように迅速なアフターフォローでお客様の暮らしを守ります。お気軽にご相談・お問合せ下さい。

株式会社セイカホームは熊本のローコスト注文住宅ハウスメーカーです。超ローコスト968万円注文住宅「ハピネスエイチ」を始め、低価格で住宅性能に優れた新築注文住宅を提供しています。ローコスト平屋「ハピネスエイチ」、人気の「スマイル」、低価格&使いやすい間取りが嬉しい「ままはぴ」、平屋の注文住宅「縁-EN-」なども好評です。セイカホームは人々が日々を暮らす「家」と「快適な住まいづくり」を通じて、熊本と福岡の皆様の普段の生活をもっと豊かにする地域の工務店でありたいと考えています。また、セイカホームの特徴は「住宅ローンに強い」こと。住宅ローン各種(フラット35・フラット40・おまとめローンなど)・住宅ローン相談随時実施中です!

お気軽にお電話ください

熊本本社フリーダイヤル
Call:0120-369-556
ページトップ